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執筆者の写真Nakayama Siphonist

SPATEL Pro-1.0 "黒豹" 9/12 発売!

更新日:2022年9月5日

今回は、今月発売予定のサイフォン用撹拌箆についてのお話です!

改めましてこんにちは。THE SYPHONIST の中山です。


オフィシャルサイト立ち上げに、何とか間に合いましたー(↓ この子)

中山監修のオリジナルサイフォン用撹拌箆、THE SYPHONIST 初モデルは初の黒漆仕上げです。


" 箆は命 "


サイフォニストにとって箆(ヘラ)は、板前さんでいう包丁のような存在とよく表現します。欠かせないツールであり、一杯の美味しさを決める自分の技術とコーヒーを繋ぐかけ橋でもあります。わずか1分十数秒たらずのサイフォン抽出中に2回(合わせて5〜8秒程度)の撹拌で、瞬間的に一杯のコーヒーを輝かせる撹拌用の箆は、まるで武士の刀みたいなものです。


正直、美味しく淹れられるヘラが存在するわけではありません。人それぞれ撹拌の仕方に癖がありますし、プロは自分にあった箆を竹を削って作るなど、自分にあったものを見つける(または、どの箆に慣れるか)ものであります。中山が監修する箆は、中山にあった箆から始まりました。


" 変わっていくモデル "


最初は、サイフォニストの競技会に出場することになった2012年、私のサイフォンの先生がお持ちの箆を模写して木工職人(兄)に作ってもらったのが始まりです。翌2013年には世界大会出場時に使った個性の強い豆のためだけに合わせた箆を作りました。次第にお客様から販売のリクエストをいただくようになり、一般の方でも使いやすそうな形状にリメイクし、2015年「第4モデル」として初の一般販売を行いました。


安定感のあった第4モデルは翌年以降も何回か販売しましたが、忙しい職人の兄が作れる本数は毎年十数本だったため、販売の都度瞬殺で完売になることが恒例となりました。その後、立ち上げに関わった彩本堂のモデルを1回限りで販売し、世に出ていないモデルも合わせると今回は実に8代目のモデルを、THE SYPHONIST から初めて販売することになりました。

 

その名も " 黒豹(クロヒョウ)"

初めて、箆(モデル)に命名した「黒豹」。

コンセプトは「波乗る躍動感」で、そのイメージが力強くしなやかな豹の動きと、販売モデル史上初の黒漆仕上げの姿がまるで黒豹を連想させたからです。


実はこれ、一般販売モデルではあるのですが、プロ向けの仕様なんです。そういうと難しく聞こえるかもしれませんが、自分の思うままに撹拌しやすいことを意識してモデルチェンジしました。



(1)軽量化!

頭部分の錘を薄くし全体で4〜5g、従来品より軽量化しました。今までは錘の重さで箆が動きやすく慣れない方のサポートをする役割だった錘を軽くすることで、重さに頼らない自信の捌きがコーヒーにアプローチします。


(2)箆先の表裏を排除!

箆先(撹拌部)の写真でいう上下面に差をほとんど無くしました。従来品は、片面が丸く、片面は平らにし、箆をかくときの力の分散やコーヒー粉をロート内で捉える面の役割を分けた形状にしていました。その名残はほんのりと残していますが、大胆な形状の差をなくすことで、形状に頼らない自信の捌きをアプローチできる仕様にしました。


最初は慣れないとちょっと難しいかもしれませんが、形状や仕様に頼るウエイトを減らすことで、サイフォニスト自信の撹拌の動きがよりダイレクトにアクションできる自由度を広げたモデルです。


使い込んで、使い込んで、使い慣らして、皆さん自信のサイフォニストの味わいの世界を広げてみてください。




だけど、販売できるのは、わずかに9本(ひょっとして10本)。今回もわずかです(汗)。



" おまけのお話 "

いつも、「撹拌ベラ」と呼称してきたのですが、ちょいとダサくて、呼びづらくて。そんな思いが。

英語では、「Stick(スティック)」で語られることも多いものですが、今回、私が監修するオリジナルの箆は「 ORIGINAL SPATEL(オリジナル スパーテル)」と命名しました。


" SPATEL "はドイツ語で「ヘラ」を示す言葉。

サイフォンの正確にはわかっていない諸説ある起源、有力なのは1840年頃のイギリス説だが、それよりも前の1830年代のドイツ説、何が起源かわかっていないルーツ、そんな一番古い1830年代のドイツ説に想いは遡り、あえてドイツ語でいう「ヘラ(Spatel:スパーテル)」という呼び方をしていこう!と決めました。


プロ仕様バージョン1.0なので「ORIGINAL SPATEL Pro-1.0 = 黒豹」とあいなりました。



2022年9月12日 発売予定!


THE SYPHONIST

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